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    【事例検討】有限責任事業組合の株式投資活用

    有限責任事業組合の特徴

     有限責任事業組合(LLP)は、共同して事業を営む組織体です。
     出資者は有限責任ですが、出資者全てが事業参加することが特徴的です。どちらかと言うとファンドというよりは、JV(ジョイントベンチャー)に近い性質のものになります。

    株式投資に活用できるのか

     有限責任事業組合(契約に基づく権利)は金融商品取引法のみなし有価証券に該当し規制対象になります。したがって金融商品取引法の業法規制のかかるファンドスキームとして、有限責任事業組合は選択しずらいスキームになるわけですが、実際に有限責任事業組合が株式投資に活用されているかを考えてみようと思います。
     以前にもコラムに掲載しましたが、適格機関投資家等特例業務に関しては、現状3件の有限責任事業組合しかありませんでした。またその投資対象は、全て不動産に関わるファンドあり株式投資ファンドはありません。したがって有限責任事業組合は、金融種品取引法の業法規制のかかる株式ファンドとしては活用は不可能でないにしても、選択しずらいスキームということになります。

    資金調達において引受人として有限責任事業組合を活用する例

     では有限責任事業組合の株式投資への活用について別の視点で考えてみます。
     上場会社が資金調達をするときには、第三者割当という手法を採用することがあります。第三者割当増資は、新たに株式等を発行して資金調達をする手法で、株主ではない特定の第三者に株式等を発行し資金調達をする手法です。上場会社の場合は資金調達手段として比較的多く使われております。
     そして、その第三者割当増資における引受先として有限責任投資事業組合が含まれている事例があるか検討してみます。
     上場会社が第三者割当をおこなう際には、基本的に有価証券届出書を提出します。有価証券届出書は金融庁のEDINETシステム上で見ることができます(EDINET (edinet-fsa.go.jp))。

    事例別検討

     EDINETシステムで、有限責任事業組合で全文検索、検索対象を有価証券届出書にして検索すると様々な有価証券届出書が検索にヒットするわけですが、そのうち第三者割当先が有限責任事業組合のものを幾つかピックアップし検討してみたいと思います。

    【提出日】2022年8月17日
    【会社名】株式会社ジェイホールディングス
    【届出の対象とした募集有価証券の種類】新株予約権証券
    【届出の対象とした募集金額】613,000,000円(予定)

     この第三者割当新株予約権の発行では、その引受先に和助キャピタル2号有限責任事業組合がはいっています。組成目的は「各種企業に対する投資並びに有価証券の売買、保有及び運用」となっており、個人2人の出資で出資額は2万円の投資事業有限責任組合です。
     また株券等の保有方針は、純投資を目的としています。
     更に、和助キャピタル2号有限責任事業組合は、第三者から金銭消費貸借契約書により資金の借り入れを受けて第三者割当を引き受けていることからも、株式投資に特化した有限責任事業組合と判断できます。

    【提出日】平成30年12月12日
    【会社名】21LADY株式会社
    【届出の対象とした募集有価証券の種類】株式及び新株予約権証券
    【届出の対象とした募集金額】311,655,000円

    この第三者割当による新株式及び新株予約権の発行では、その引受先にOKT有限責任事業組合、ODCキャピタル有限責任事業組合、KMキャピタルパートナーズ有限責任事業組合の3有限責任事業組合という形になっています。

    各有限責任事業組合の組成目的等

    名称OKT有限責任事業組合ODCキャピタル有限責任事業組合KMキャピタルパートナーズ有限責任事業組合
    出資総額350,000,000円150,000,000円100,000,000円
    組成目的中小規模の菓子製造小売業への育成 支援投資を行うために設立された共同事業組合です。税理士によって設立された共同事業組合で、投資先企業の税務支援、財務支援を行うことを目的としております。中小規模の事業会社の育成支援投資を行うため組成さ れた投資ビークルです。
    主たる出資者及びその出資比率個人:94.0%
    個人:5.7%
    法人:0.3%
    個人:90.0%
    個人:10.0%
    個人:99.0%
    法人:1.0

    組成目的は育成支援等をおこなうとなっています。また株券等の保有方針は、当社株式を中 長期で保有する方針となっていることから、株式を引き受けつつも各々の有限責任事業組合の育成支援を通じて企業価値を高めていく有限責任事業組合であると思います。

    まとめ

    • 有限責任事業組合が第三者割当の引受等株式等ををおこなうことは可能である。
    • その場合は純投資もあれば、経営支援を通した中長期保有もあり得ます。

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     当社は金融商品取引業務を中心に業務を提供しています。ファンドの組成・スキーム検討等についてのご相談は永田町リーガルアドバイザーまでお問い合わせください。