投資事業有限責任組合の特徴を簡単解説

2022/07/25投資事業有限責任組合

投資事業有限責任組合の特徴を簡単解説

投資事業有限責任組合の特徴を簡単解説

任意組合のデメリットを補った制度

従来から株式ファンドとして任意組合が利用されてきましたが、組合員全員が無限責任を負うというデメリットを回避するために、投資事業有限責任組合制度が制定されました(投資事業有限責任組合契約に関する法律)。

投資事業有限責任組合(LPS)は投資事業有限責任組合契約に関する法律第2条に規定されている組合になります。

(定義)
第二条 この法律において「事業者」とは、法人(外国法人を除く。)及び事業を行う個人をいう。
2 この法律において「投資事業有限責任組合」とは、次条第一項の投資事業有限責任組合契約によって成立する無限責任組合員及び有限責任組合員からなる組合をいう。

有限責任事業組合(LPS)の特徴

投資事業有限責任組合(LPS)の特徴は次の通りです。

  • 投資事業有限責任組合の組合員は無限責任と有限責任がある。
  • 投資事業有限責任組合は登記が必要(なお、法人格はない)
  • 投資事業有限責任組合は公認会計士の会計監査が必要
  • 投資事業有限責任組合の所得は、任意組合で課税されずに各組合員に分配され、各組合員は各々申告納付をする(パススルー課税)。
  • 投資事業有限責任組合の組合員は無限責任と有限責任がある。

特徴を順番に解説していきます。

無限責任組合員と有限責任組合員

 投資事業有限責任組合(LPS)の組合員は、投資事業有限責任組合(LPS)の債権者に対して無限責任を負う「無限責任組合員」と、債権者に対してその出資額を限度として責任を負う「有限責任組合員」の2種類があります(投資事業有限責任組合契約に関する法律第9条)。

(組合員の責任)

第九条 無限責任組合員が数人あるときは、各無限責任組合員は組合の債務について連帯して責任を負う。
2 有限責任組合員は、その出資の価額を限度として組合の債務を弁済する責任を負う。 3 有限責任組合員に組合の業務を執行する権限を有する組合員であると誤認させるような行為があった場合には、前項の規定にかかわらず、当該有限責任組合員は、その誤認に基づき組合と取引をした者に対し無限責任組合員と同一の責任を負う。

投資事業有限責任組合(LPS)は登記が必要

投資事業有限責任組合(LPS)は、組合契約が締結された場合はその効力発生時点から2週間以内に登記をする必要があります(投資事業有限責任組合契約に関する法律第17条)。

(組合契約の効力の発生の登記)
第十七条 組合契約が効力を生じたときは、二週間以内に、組合の主たる事務所の所在地において、次の事項を登記しなければならない。
一 第三条第二項第一号、第二号、第六号及び第七号に掲げる事項
二 無限責任組合員の氏名又は名称及び住所
三 組合の事務所の所在場所
四 組合契約で第十三条第一号から第三号までに掲げる事由以外の解散の事由を定めたときは、その事由

投資事業有限責任組合(LPS)は法人格を有さない

上述のように、投資事業有限責任組合(LPS)は、登記をする必要がありますが、投資事業有限責任組合(LPS)は法人格を有さないことに留意する必要があります。日本において組合には原則法人格はありません。例外的に法律で組合を「法人とする」規定されている場合に法人格が生じます(例:保険組合等)。

投資事業組合(LPS)はについては、投資事業有限責任組合契約に関する法律で法人とすると規定されていないため、任意組合と同様に法人格を有しません(投資事業有限責任組合契約に関する法律第16条)

(民法の準用)
第十六条 組合については、民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十八条(組合財産の共有)、第六百六十九条(金銭出資遅滞者の責任)、第六百七十一条から第六百七十四条まで(委任の規定の準用、業務執行者の辞任又は解任、組合員の業務及び財産の状況の検査権並びに組合員の損益分配の割合)、第六百七十六条(組合員の持分処分の制限及び組合財産分配の禁止)、第六百七十七条(組合債務者の相殺の禁止)、第六百八十条(除名)、第六百八十一条(脱退組合員の持分の払戻し)、第六百八十三条(組合員の解散請求)、第六百八十四条(解除の効力の不そ及)、第六百八十七条(組合員である清算人の辞任又は解任)、及び第六百八十八条(清算人の職務権限及び残余財産の分割方法)の規定を準用する。

投資事業有限責任組合(LPS)は公認会計士の会計監査が必要

投資事業有限責任組合(LPS)は、事業年度経過後3ヶ月以内に貸借対照表、損益計算書及び業務報告書ならびにこれらの附属明細書を作成することが必要となります(投資事業有限責任組合契約に関する法律第8条1項)。

またこれらの財務諸表等については公認会計士または監査法人の監査証明が必要となります。(投資事業有限責任組合契約に関する法律第8条2項)。

(財務諸表等の備付け及び閲覧等)
第八条 無限責任組合員は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び業務報告書並びにこれらの附属明細書(第三項において「財務諸表等」という。)を作成し、五年間主たる事務所に備えて置かなければならない。
2 前項の場合においては、無限責任組合員は、組合契約書及び公認会計士(外国公認会計士を含む。)又は監査法人の意見書(業務報告書及びその附属明細書については、会計に関する部分に限る。次項において同じ。)を併せて備えて置かなければならない。
3 組合員及び組合の債権者は、営業時間内は、いつでも、財務諸表等並びに前項の組合契約書及び意見書の閲覧又は謄写を請求することができる。

パススルー課税

投資事業有限責任組合(LPS)の所得は、任意組合で課税されずに各組合員に分配され、各組合員は各々申告納付をします。投資事業有限責任組合は法人格を有せず、日本の税法上納税義務者ではありません。

投資事業有限責任組合の所得は、その持分割合等により各組合員に所得分配されます。各組合員はその分配金額に基づいて確定申告をする必要があります。一般的にこの課税方式を「パススルー課税」と呼ばれます。

まとめ

本日は投資事業有限責任組合(LPS)の特徴について解説しました。LPSの特徴は次の通りです。

  • 投資事業有限責任組合の組合員は無限責任と有限責任がある。
  • 投資事業有限責任組合は登記が必要(なお、法人格はない)
  • 投資事業有限責任組合は公認会計士の会計監査が必要
  • 投資事業有限責任組合の所得は、任意組合で課税されずに各組合員に分配され、各組合員は各々申告納付をする(パススルー課税)。

手続きのご依頼・ご相談

投資事業有限責任組合(LPS)やファンドの組成に関するご相談は永田町リーガルグループまでお問い合わせください。