適格機関投資家届出のポイントなど解説

2022/08/03適格機関投資家等特例業務

適格機関投資家届出のポイントなど解説

適格機関投資家届出のポイントなど解説

適格機関投資家の範囲

適格機関投資家の範囲は、金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令に定められています。主な適格機関投資家は以下のとおりです。

  • 第一種金融商品取引業者(証券会社)
  • 投資運用業者
  • 投資事業有限責任組合(LPS)
  • 法人(有価証券の残高が10億円以上)
  • 個人(有価証券の残高が10億円以上)

法人(有価証券の残高が10億円以上)及び個人(有価証券の残高が10億円以上)については、適格機関投資家になるためには金融庁への届出が必要になります。

財務局を通じて金融庁へ届出をする

法人(有価証券の残高が10億円以上)及び・個人(有価証券の残高が10億円以上)が適格機関投資家になるためには、金融庁に(財務局を通じて)届出をしなければいけません。
届出はには、届出を行うもの名称等基本情報の他に、直近日に保有する有価証券の残高を記載する必要があります。
ここで直近日については、「直近日とは、有価証券の残高を確認した日であって、届出を行おうとする日の直近日(任意)をいいます。」と記載されています。

直近日(任意)の実務上の検討

直近日については、任意となってはいるのですが、実務上いつにするケースが多いのか検討してみます。実務上は以下の日時が採用されるケースが多いと想定されます。

  • 適格機関投資家に関する届出書の提出日当日ないし前日
    →保有する有価証券が上場株式等時価の把握が容易な場合に使用されると考えられる。
  • 適格機関投資家に関する届出書の提出日の前月末日
    →法人で月次決算をしている会社
  • 適格機関投資家に関する届出書の提出日の直近四半期末
    →法人で四半期決算をしている会社
  • 適格機関投資家に関する届出書の提出日直近決算日(個人は12月末)
    →その他の法人・個人

有価証券の残高は時価?簿価?

ここで有価証券の残高は時価なのか簿価なのかが問題になります。
有価証券が時価なのか簿価なのかは明確に規定されておりません。実務上は簿価の方が数字を把握しやすいため簿価で記載するケースが多いと思いますが、時価によることも問題ないと考えられます。
時価の場合上場会社株式については、市場価格で問題ありませんが、未上場会社に関しては、重要な株式の場合は時価評価を実施して株式の時価を把握する必要はあると考えられます。

届出後はどうなる?

適格機関投資家に関する届出書提出後、問題がなければその翌々月初に適格機関投資家の届出を金融庁長官に行った者として、金融庁のホームページに記載されます。

手続きのご依頼・ご相談

本日は適格機関投資家の届け出に関して実務上の論点などについて解説いたしました。当社ではファンド組成・設立支援をはじめ、適格機関投資家の届出支援の業務も取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

参考条文

(金融商品取引法第二条に規定する定義に関する内閣府令第10条第1,18,23,24項)

(適格機関投資家の範囲)
第十条 法第二条第三項第一号に規定する内閣府令で定める者は、次に掲げる者とする。ただし、第十五号に掲げる者以外の者については金融庁長官が指定する者を除き、同号に掲げる者については金融庁長官が指定する者に限る。
一 金融商品取引業者(第一種金融商品取引業(有価証券関連業に該当するものに限り、法第二十九条の四の二第十項に規定する第一種少額電子募集取扱業務のみを行うものを除く。)又は投資運用業を行う者に限る。)
十八 投資事業有限責任組合契約に関する法律第二条第二項に規定する投資事業有限責
任組合
二十三 次に掲げる要件のいずれかに該当するものとして金融庁長官に届出を行った法人(存続厚生年金基金を除き、ロに該当するものとして届出を行った法人にあっては、業務執行組合員等(組合契約を締結して組合の業務の執行を委任された組合員、匿名組合契約を締結した営業者若しくは有限責任事業組合契約を締結して組合の重要な業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務を自ら執行する組合員又は外国の法令に基づくこれらに類する者をいう。ロ及び第二十四号において同じ。)として取引を行う場合に限る。)
イ 当該届出を行おうとする日の直近の日(以下この条において「直近日」という。)における当該法人が保有する有価証券の残高が十億円以上であること。
ロ 当該法人が業務執行組合員等であって、次に掲げる全ての要件に該当すること(イに該当する場合を除く。)。
(1) 直近日における当該組合契約、匿名組合契約若しくは有限責任事業組合契約又は外国の法令に基づくこれらに類する契約に係る出資対象事業により業務執行組合員等として当該法人が保有する有価証券の残高が十億円以上であること。
(2) 当該法人が当該届出を行うことについて、当該組合契約に係る組合の他の全ての組合員、当該匿名組合契約に係る出資対象事業に基づく権利を有する他の全ての匿名組合契約に係る匿名組合員若しくは当該有限責任事業組合契約に係る組合の他の全ての組合員又は外国の法令に基づくこれらに類する契約に係る全ての組合員その他の者の同意を得ていること。
二十四 次に掲げる要件のいずれかに該当するものとして金融庁長官に届出を行った個人(ロに該当するものとして届出を行った個人にあっては、業務執行組合員等として取引を行う場合に限る。)
イ 次に掲げる全ての要件に該当すること。
(1) 直近日における当該個人が保有する有価証券の残高が十億円以上であること。
(2) 当該個人が金融商品取引業者等に有価証券の取引を行うための口座を開設した日から起算して一年を経過していること。
ロ 当該個人が業務執行組合員等であって、次に掲げる全ての要件に該当すること(イに該当する場合を除く。)。
(1) 直近日における当該組合契約、匿名組合契約若しくは有限責任事業組合契約又は外国の法令に基づくこれらに類する契約に係る出資対象事業により業務執行組合員等として当該個人が保有する有価証券の残高が十億円以上であること。
(2) 当該個人が当該届出を行うことについて、当該組合契約に係る組合の他の全ての組合員、当該匿名組合契約に係る出資対象事業に基づく権利を有する他の全ての匿名組合契約に係る匿名組合員若しくは当該有限責任事業組合契約に係る組合の他の全ての組合員又は外国の法令に基づくこれらに類する契約に係る全ての組合員その他の者の同意を得ていること。