【徹底比較】匿名組合・任意組合・LLP・LPSの違いとは?

2024/12/23その他

【徹底比較】匿名組合・任意組合・LLP・LPSの違いとは?

ファンド組成における主なヴィークルには、任意組合、匿名組合、投資事業有限責任組合(LPS)、有限責任事業組合(LLP)、外国法に基づく組合などがあります。

どの形態を選択すべきかは、それぞれの特徴を把握した上で決定する必要があります。

このコラムでは、匿名組合・任意組合・LLP・LPSの違いについてわかりやすく解説していきます。

ファンド組成における集団投資スキーム

任意組合、匿名組合、投資事業有限責任組合(LPS)、有限責任事業組合(LLP)などの組合型のヴィークルは、共同事業性等の一定の除外要件を満たさない場合には「集団投資スキーム」と呼ばれています。

実務的には、商法上の匿名組合や投資事業有限責任組合(LPS)が選択されるケースが多いです。

匿名組合・任意組合・LLP・LPSの比較

任意組合、匿名組合、投資事業有限責任組合(LPS)、有限責任事業組合(LLP)について、違いがわかるよう比較表にまとめています。

 任意組合(民法667条)投資事業有限責任組合(LPS)匿名組合(商法535条)有限責任事業組合(LLP)
法人格なしなし営業者は法人格を有するなし
組合財産組合員の共有組合員の共有営業者に帰属組合員の共有
納税主体パススルー課税パススルー課税営業者と組合員それぞれが課税対象となるパススルー課税
組合員の資格制限なし有限責任社員の場合制限なし(無限責社員の場合、登記上の問題あり)営業者は商人(組合員は制限なし)1人は国内の居住者または内国法人
組合員の責任無限責任無限責任と有限責任有限責任(営業者は無限責任)有限責任
労務出資×××
業務執行組合員の過半数(業務執行者の選任可能)無限責社員の過半数営業者のみ総組合員の全員一致で行うのが原則ただし、契約の定めがあれば、それ以外の方法もとれる(重要な財産の処分・譲受け、もしくは多額の借財 をする場合には、原則として総組合員の同意が必要)
事業目的制限なし制限あり制限なし一部制限あり
登記制度なしありなしあり
会計監査任意強制任意任意

従来型の任意組合の場合、組合員全員が無限責任を負うことから、投資家のニーズを満たせないケースがほとんどでした。

投資事業有限責任組合(LPS)は、こうした任意組合のデメリットを解消できるヴィークルになっているので、任意組合よりも規制が厳しくなっています。

また、投資家保護を目的として、会計監査が強制されるなど、ガバナンスの強化も図られています。

なお、それぞれにおける税務処理については、こちらの記事をご参照ください。

参照:組合型ファンド(任意組合、匿名組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合)の税務処理について:その2

まとめ

組合型ファンドは、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ファンドの組成・スキーム検討等についてのご相談は、永田町リーガルアドバイザーまでお気軽にお問い合わせください。

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