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    令和6年金商法改正後の記載実務整理、大量保有報告書の「保有目的」は、どこまで具体的に書くべきか

    大量保有報告書および変更報告書の作成においては、
    提出要否の判断だけでなく、どのように記載するかが実務上の重要な論点となります。
    特に「保有目的」欄については、抽象的な記載にとどまると、
    制度趣旨との関係で問題視されるおそれがあります。

    大量保有報告書の作成及び提出代行業務

    当事務所では、金融商品取引法および大量保有報告制度を前提として、
    保有目的を含む記載内容の整理からEDINET提出まで、
    大量保有報告書・変更報告書の作成および提出代行業務を行っております。

    結論

    改正後の大量保有報告制度においては、
    「保有目的」は形式的な分類ではなく、
    実際の行動や意思決定との整合性が問われる記載事項となっています。

    単に区分名を記載するだけでは足りず、
    一定の場合には、取得計画や提案内容まで含めた具体的な説明が必要となります。

    1.保有目的欄が重視される理由

    大量保有報告制度は、
    市場に対して「誰が、どのような意図で一定割合以上の株式を保有しているか」を
    明らかにすることを目的としています。

    そのため、保有目的は、
    保有割合や共同保有関係と並び、
    投資家や市場参加者が発行会社との関係性を判断するための重要な情報と位置付けられています。

    2.改正前の実務と改正後の違い

    改正前は、
    「純投資」「政策投資」「重要提案行為等を行うこと」
    といった区分名を記載し、
    詳細な説明を省略している事例も少なくありませんでした。

    しかし改正後は、
    一定のケースについて、具体的な内容の記載が求められることが明確化されています。

    3.具体的な記載が求められる主なケース

    ① 重要提案行為等を行う場合

    すでに重要提案行為等を行っている場合や、
    行うことを予定している場合には、
    以下のような事項を可能な限り具体的に記載する必要があります。

    • 提案の内容
    • 提案を行う時期
    • 提案を行う条件
    • 提案の目的

    単に「重要提案行為等を行うこと」と記載するだけでは、
    改正後制度の趣旨に沿った記載とは言えません。

    ② 5%超の追加取得を決定または予定している場合

    大量保有報告書の提出後、
    さらに株券等保有割合を5%超増加させる行為について、
    すでに決定している場合や、一定の蓋然性をもって予定している場合には、
    その内容を保有目的欄に記載する必要があります。

    記載が求められる事項には、
    取得する株券等の種類、取得時期、取得価格、取得数量、取得方法などが含まれます。

    4.「決定」と「予定」の区別に関する実務上の注意点

    改正後制度では、
    「決定」と「予定」は明確に区別されています。

    • 決定
      実行に必要な最終的な意思決定が行われている場合
    • 予定
      一定の具体性・蓋然性をもって取得行為が見込まれる場合

    この区別を誤ると、
    本来記載すべき内容を記載していないとして、
    記載不備と評価される可能性があります。

    5.変更報告書が必要となる場面

    すでに大量保有報告書を提出している場合であっても、
    その後、新たに5%超の追加取得を行うことを決定した場合には、
    保有目的に変更が生じたものとして、
    変更報告書の提出が必要となります。

    単に取得が未了であることを理由に、
    変更報告書が不要と整理することはできません。

    まとめ

    改正後の大量保有報告制度においては、
    保有目的は「形式的な区分」ではなく、
    実態を反映した説明が求められる記載事項となっています。

    提出要否の判断と同様に、
    どのように記載するかについても、
    事前に整理したうえで対応することが重要です。

    大量保有報告書の作成及び提出代行業務に関するご依頼・ご相談

    当事務所では、金融商品取引法および大量保有報告制度を前提として、保有目的を含む記載内容の整理から、
    大量保有報告書・変更報告書の作成およびEDINET提出まで、提出代行業務を行っております。
    記載内容の整理に不安がある場合には、事前にご相談ください。