匿名組合が選ばれる理由、不動産・再エネ・オルタナティブ投資での活用事例
匿名組合は、事業型ファンドの組成において「標準的なスキーム」と言われるほど広く利用されています。
その理由は、出資者の責任限定やコスト面での優位性にあります。ここでは具体的な利用場面を整理します。
事業型ファンドでの主流スキーム
匿名組合は、株式やFXなどの分離課税の恩恵を受けられる投資には向きません。出資者にとっては雑所得扱いとなり、総合課税の対象となるためです。
一方で、もともと分離課税の対象にならない「事業型ファンド」ではそのデメリットがほとんどなく、匿名組合が最有力のスキームとされています。
具体的な利用分野
- 再生可能エネルギー発電事業(太陽光・風力など)
- 競走馬ファンド
- リース事業(レバレッジドリースなど)
- ワインや絵画といったオルタナティブ資産への投資
- 不動産証券化スキーム
特に不動産分野では、匿名組合出資を合同会社に引き受けさせ、さらにその合同会社の親会社を一般社団法人とすることで「倒産隔離効果」を持たせる構造(通称:GKTK)が広く普及しています。
他スキームとの比較
- 投資事業組合(民法組合)
→ 出資者が無限責任を負うためリスクが重い。 - 投資事業有限責任組合(LPS)
→ 有限責任ではあるが法定監査などの事務コストがかかる。
これに対し、匿名組合は出資者の責任が限定される一方で、運営コストを低く抑えられるため、事業型ファンドにおける実務上の第一選択肢となっています。
匿名組合は「デフォルト」の選択肢
不動産や再生エネルギーなどの事業型ファンドを組成する際には、匿名組合がほぼ自動的に検討されるほど一般的です。
逆に、匿名組合以外のスキームを選択するには、投資家の権利性を重視したい場合など、明確な理由が求められるのが実務の現状です。