増資における税務上のポイント

2024/04/05その他

増資における税務上のポイント

増資と法人税の関連性

 

  • 資本金が1,000万円を超える場合

消費税: 新しい会社は最初の1、2年は通常消費税の支払い義務がありません。ですが、資本金が1,000万円以上になると、2年目から消費税の支払いが必要になります。
法人住民税: 資本金の合計が1,000万円を超えると、法人住民税の一部が増える可能性があります。

  • 資本金が1億円を超える場合

法人事業税: 赤字の年でも、資本金が1億円以上だと特定の計算方法で税金がかかることがあります。
法人税: 通常、中小企業は税金の割引が受けられますが、資本金が1億円を超えるとこの割引がなくなることがあります。

  • 税金の割引や特例

中小企業にはいくつかの税金の特例があります。たとえば、過去の赤字を現在の利益から引き算して、税金を少なくする「欠損金の繰越控除」や、一定の条件下で取得した資産を即時に経費として計上できる「少額減価償却資産の特例」などがあります。

税金を考えた資金の受け入れ方
増資するとき、どのように資金を受け入れるかによっても税金の影響が変わります。たとえば、「資本準備金」として資金をもらう方法や、資本金を減らす「減資手続き」などが考えられます。

増資後の資本の扱い

  •  資本金の増加

資本金とは、会社が株主から受け取った資金の総額を指します。増資により、新たな株を発行すると、この資本金は増加します。

  • 資本剰余金の増加

資本剰余金とは、株式を額面価格よりも高い価格で発行した場合に、その差額が積み上げられる金額を指します。株式が市場価格や特定の価格で発行され、その価格が額面価格を超える場合、超えた分は資本剰余金として計上されます。

  • 保有株式の増加

会社が新しい株式を発行すると、その発行数だけ会社が発行している全株式数が増えます。 これにより、会社の所有構造や株主の持ち分が変動することがあります。

資本的な支出と経費的な支出の違いとは

  • 資本的支出

資本的支出は、固定資産の価値を増加させるための支出を指します。具体的には、固定資産の改良やその耐用年数の延長に関わる支出となります。このような支出は、資産として認識され、経理上は減価償却の対象となります。

資本的支出の特徴:

一度に全額経費計上するのではなく、耐用年数に応じて毎年一定額を経費計上する形となる。
そのため、1年あたりの負担額を緩和し、会社の赤字化のリスクを低減できます。
資本的支出と判断された費用は、固定資産の取得原価に加算されます。
ただし、何年かに分けての経費計上となるため、税務処理が複雑になり、手間がかかることもあるのがデメリットとして挙げられます。

  • 経費的な支出

経費的な支出は、当初予定された固定資産の耐用年数や機能を維持するための支出を指します。修繕費などがこれに該当します。

経費的支出の特徴:

10万円未満のものや使用可能期間が1年未満のものは、消耗品費などとしてすぐに経費計上されます。それ以上の額でありながらも、固定資産の耐用年数や機能を維持するための支出として認識される場合、修繕費として経費計上されます。10万円を超える備品などは、有形固定資産として計上され、減価償却の対象となります。

まとめ

  1. 増資と法人税の関連性
    増資を通じて資本を増やすことは、会社の資金調達の一つの手段となります。増資によって得られた資金は、法人税の課税対象とはなりませんが、その資金を使用して得られる収益は課税対象となるため、経営戦略や税務計画とのバランスが重要となります。
  2. 資本の扱
    増資後の資本は、企業のバランスシート上で育成され、その資金使用方法や経理処理は企業の財務健全性や成長性を示す指標となることが多い。具体的には、増資によって入ってきた資金をどのように運用するか、また、その運用結果がどのように財務諸表に反映されるかが重要です。
  3. 資本的な支出と経費的な支出の違い
    資本的な支出と経費的な支出の違いは、会社の資産や経費の計上方法に大きく影響します。資本的な支出は企業の将来的な価値を増加させるための投資として行われ、経費的な支出は日常業務の継続的な運営を支えるものとして行われます。これらの区別は、会社の財務状態の評価や税務計算において非常に重要です。

これらの3点を正しく理解し、適切に適用することで、企業は適切な資金調達、資金運用、税務計画を行うことができます。

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