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外為法に基づく対内直接投資審査制度の実務

外国投資家による日本企業への投資は、経済安全保障の観点から、外国為替及び外国貿易法(外為法)第27条に基づく審査制度の対象となります。
財務省や事業所管省庁では、国の安全に関わる技術や情報の流出を防ぎつつ、健全な投資を促進するため、外国投資家に対して事前届出制度を運用しています。

制度の趣旨

外為法に基づく対内直接投資審査制度は、経済安全保障の確保と健全な投資促進の両立を目的としています。
外国投資家が、日本企業に株式取得などを通じて影響力を行使する場合、国の安全等に関わる業種に該当すれば、事前届出が必要となります。

事前届出が必要となる投資家

対象となる「外国投資家」には、次のような類型が含まれます。

  • 非居住者である個人(日本国籍者を含む)
  • 外国法令に基づき設立された法人・団体
  • 外国法人が50%超出資する日本法人・ファンド
  • 外国法人が過半出資する組合・業務執行組合員の過半を外国人が占める組合

これらはいずれも「外国投資家」として届出の義務を負います。

届出対象となる業種

届出の対象業種は、国の安全等を損なうおそれのある分野として、以下の例が挙げられています。

区分主な対象例
防衛・先端技術武器、航空機、宇宙開発、原子力関連、工作機械、半導体製造装置、産業用ロボットなど
医療・資源関連感染症医薬品、高度管理医療機器、重要鉱物資源、肥料輸入業など
エネルギー・インフラ電力・ガス・通信・鉄道・放送・上水道・熱供給など
情報通信・セキュリティソフトウェア・情報処理サービス、IoT機器関連業種など

※子会社がこれらの業種を営んでいる場合も届出の対象となります。

届出対象となる行為

外国投資家が行う以下の行為は、**「事前届出の必要な投資等」**に該当します。

  • 上場会社の株式を 1%以上取得
  • 非上場会社の株式を 1株でも取得(端株含む)
  • 外国投資家の関係者が役員に就任することに株主総会で同意する場合
  • 事前届出業種に属する事業の譲渡・廃止を提案・同意する場合

実際の届出判断の流れ(事例)

財務省資料では、届出の要否を判断する際に、次の3点を総合的に確認することが示されています。

  1. 投資家が「外国投資家」に該当するか
  2. 投資先が「事前届出業種」を営んでいるか
  3. 投資行為が「届出対象行為」に該当するか

この3つがすべて該当する場合、事前届出が必要となります。

(例)非上場の防衛装備部品メーカーに外国ファンドが出資する場合
→ 非居住の投資家・防衛関連業種・非上場株式取得の3条件を満たすため、届出が必要

免除制度の概要

届出免除は、一定の条件を満たす場合に限られます。
非上場会社の場合、以下3条件をすべて満たせば免除可能です。

  1. 投資家が「一般投資家」または「認証SWF(政府系ファンド)」である
  2. 投資先が「コア業種以外」を営んでいる
  3. 投資家が、役員就任や非公開情報アクセスを行わない等の基準を遵守

ただし免除利用時も、事後報告書の提出(実行後45日以内)が必要です。

上場企業に対する免除

上場企業への投資では、外国金融機関や一般投資家等が、

  • コア業種以外の企業に投資する場合
  • コア業種であっても10%未満の株式取得かつ上乗せ基準遵守の場合

に限り、事前届出免除制度の利用が認められることがあります。

審査手続と投資可能時期

事前届出が必要な場合、外国投資家は投資予定日の6か月以内に届出書を日本銀行経由で提出します。
受理後は、財務大臣・事業所管大臣による審査が行われ、**原則30日(最長5か月)**の禁止期間を経て投資が可能になります。

実務上の留意点

  • 事前届出の義務は外国投資家側にありますが、受入会社側も届出要否を確認しておくことが望まれます。
  • 投資後の報告(事後報告)は、免除を利用した場合も必須です。
  • 届出書は日本銀行の指定様式で作成し、オンライン提出も可能です。