大量保有報告書における「担保契約等重要な契約」は、どこまで記載すべきか
大量保有報告書の作成及び提出代行業務
大量保有報告書および変更報告書の作成においては、保有割合や保有目的だけでなく、
株券等に関する契約関係の記載が実務上の重要な論点となります。
特に「担保契約等重要な契約」欄については、どの契約が記載対象となるのか、
どこまで具体的に記載すべきかについて判断に迷うケースも少なくありません。
当事務所では、金融商品取引法および大量保有報告制度を前提として、
契約関係の整理を含め、
大量保有報告書・変更報告書の作成および提出代行業務を行っております。
結論
改正後の大量保有報告制度では、
株券等に関する契約関係について、
市場に影響を与え得る情報は原則として開示するという整理がより明確になっています。
契約の名称や当事者間の守秘義務の有無を理由に、
記載を省略することはできません。
1.「担保契約等重要な契約」とは何か
大量保有報告書では、
保有株券等について、
貸借契約、担保契約、オプション契約、売戻し契約、
その他これらに類する重要な契約または取決めがある場合、
その内容を記載することが求められます。
改正後は、
単なる担保設定に限らず、
株式の処分・取得・議決権行使に影響を及ぼし得る契約関係が、
広く記載対象として整理されています。
2.改正後に記載対象が拡張された主な契約類型
改正後制度では、
次のような契約類型について、
記載対象であることが明確化されています。
- 株券等を目的とする担保契約
- 貸株契約・株式貸借契約
- オプション契約、買戻し契約、売戻し契約
- 株式譲渡制限契約、株式取得制限契約
- 希薄化防止条項を含む契約
- 現金決済型エクイティ・デリバティブ契約
形式的に「金融取引契約」「投資契約」と整理されている場合であっても、
株券等に関する重要な内容を含む場合には、
記載対象となる可能性があります。
3.記載すべき内容の範囲
「担保契約等重要な契約」欄では、
単に契約が存在する旨を記載するだけでは足りません。
原則として、
以下の事項を整理したうえで記載する必要があります。
- 契約の種類
- 相手方
- 対象となる株券等の数量
- 契約の主な内容
もっとも、
金融商品取引業者等が顧客との間で締結する一定の契約については、
人数や数量を合算した形での記載が認められる場合もあります。
4.守秘義務がある場合の取扱い
実務上、特に問題となりやすいのが、
契約上の守秘義務との関係です。
改正後制度では、
大量保有報告制度に基づく開示義務が、
当事者間の守秘義務に優先することが明確に整理されています。
そのため、
守秘義務条項が存在することを理由に、
契約の存在や内容を記載しないという整理は認められません。
5.変更報告書が必要となる場面
すでに大量保有報告書を提出している場合であっても、
その後、
- 新たな担保設定が行われた場合
- 契約内容に重要な変更が生じた場合
には、
「担保契約等重要な契約」に関する記載内容の変更として、
変更報告書の提出が必要となる可能性があります。
契約締結や変更のタイミングと、
変更報告書提出義務との関係については、
個別の整理が不可欠です。
まとめ
大量保有報告書における
「担保契約等重要な契約」欄は、
形式的なチェック項目ではありません。
株券等に関する契約関係を整理し、
市場への影響という観点から、
どの情報を開示すべきかを検討する必要があります。
契約締結後に検討するのではなく、
契約締結前の段階で報告実務を見据えて整理しておくことが、
実務上のリスク管理につながります。
大量保有報告書の作成及び提出代行業務に関するご依頼・ご相談
当事務所では、金融商品取引法および大量保有報告制度を前提として、
担保契約等重要な契約の記載整理を含め、
大量保有報告書・変更報告書の作成およびEDINET提出までを行っております。
契約関係の取扱いに不安がある場合には、事前にご相談ください。

