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    投資事業有限責任組合(LPS)とは何ですか

    投資事業有限責任組合(LPS:Limited Partnership)は、「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に基づく組合型ファンド・ヴィークルです。大きな特徴は、業務を執行する無限責任組合員(GP)と、出資のみを行う有限責任組合員(LP)を制度上区別し、LPについては原則として出資額の範囲で責任を限定できる点にあります。

    一方で、LPSは「何でもできる器」ではありません。LPS法は、LPSが営める事業(投資対象)を限定列挙しており、スキーム検討では「法令上できる投資か」「金融商品取引法(以下、金商法)上、登録・届出が要るか」を分けて整理するのが実務的です。

    LPSの法的性質をどう捉えるべきですか

    LPSは、会社(株式会社・合同会社)のような法人とは異なり、契約で成立する組合です(民法上の組合をベースにしつつ、投資ファンドとして使いやすいルールを上乗せした制度、という理解が実務で一般的です)。

    そのため、実務では次の二層で考えると混乱が減ります。

    • LPS法の層:GP/LPの役割、事業範囲(投資対象)、登記、財務諸表等の作成・備置など
    • 金商法の層:持分の取得勧誘(募集・私募)や運用が、第二種・投資運用業・適格機関投資家等特例業務(63条)等のどれに当たるか

    まず押さえるべき「制度上の骨格」は何ですか

    1. 名称・出資のルール

    • 名称中に「投資事業有限責任組合」を用いることが前提になります。
    • 出資は金銭その他の財産に限られ(労務出資は不可)、組合員は一定の「口」を持つ設計になります(条文上の枠があります)。

    2. GPが業務執行、LPは原則として業務執行しない

    LPSは、業務執行はGPが担う設計です。LPが外形的に「運営者」と誤認させる態様をとると、対外的責任の問題が生じ得ます(典型論点です)。

    3. 事業範囲(投資対象)は限定列挙

    LPS法3条は、株式・新株予約権、一定の社債等、金銭債権、匿名組合出資持分・信託受益権、他ファンド持分(FoF)などを列挙し、それ以外を原則として予定しません。まずここで「やりたい投資が条文のどこに入るか」を当てにいきます。

    令和6年改正で何が変わりましたか(押さえるべき実務ポイント)

    令和6年改正の要点として、経済産業省は次を整理しています。

    • 外国法人投資に関する50%未満制限の見直し(既出資額ベース)
    • LPSが実施できる事業に「暗号資産」および「合同会社の持分」の取得・保有等を追加

    また、経済産業省は令和7年版のモデル契約書例(モデルLPA)と解説、ならびにLPS法の解説資料を公表しています。条文解釈・登記実務との接続(添付書面、日本語訳の要否、登記事項の整理等)を確認する際、一次資料として参照価値が高いです。

    登記実務で「落とし穴」になりやすいのはどこですか

    LPSは契約で成立しますが、対抗要件として登記が重要であり、登記事項・添付書面を読み替える必要があります(会社の設立登記とは発想が違います)。

    経済産業省の解説資料では、登記事項(例:事業、名称、効力発生日、存続期間、GPの氏名・住所、事務所等)や、契約書が英語の場合の日本語訳添付などが整理されています。

    さらに、GPの属性に関して実務上重要なのが次の点です。

    • 登記規則との関係で、外国会社は別として、外国法人はGPとしての登記ができない旨が明示されています。
    • 令和5年6月の登記規則改正により、LLPをGPとして登記可能となった点も、組成ストラクチャーに影響します。

    「ライセンス(登録・届出)」はどう整理しますか

    LPSは器にすぎず、持分の取得勧誘(販売・勧誘)と運用が金商法上どの業に該当するかで、必要な手当てが変わります。

    実務で頻出なのは、次の二択(+例外)です。

    1. 第二種金融商品取引業(募集・私募の取扱い等)+投資運用業(運用)
    2. 適格機関投資家等特例業務(63条)として、要件充足のもと「届出」で行う

    金融庁・財務局の公表資料では、特例業務の基本要件(適格機関投資家1名以上、適格機関投資家以外49名以下等)や、届出者の義務(書面交付、運用報告等)が整理されています。

    LPS・任意組合・匿名組合・LLPの使い分け(実務目線の比較)

    項目LPS(投資事業有限責任組合)任意組合(民法組合)匿名組合(商法)LLP(有限責任事業組合)
    基本性格投資ファンド向けの組合制度(GP/LP区分あり)契約で共同事業(責任整理が重い)営業者が事業、出資者は匿名組合員共同事業向け(投資ファンドとは目的が異なる)
    責任構造GP:原則無限、LP:原則有限原則として組合員の責任が重くなりやすい出資者は原則有限、営業者が事業主体組合員は原則有限(制度趣旨が異なる)
    事業範囲法で限定列挙(3条)制度上の限定は相対的に少ない事業類型により柔軟事業目的・実態要件との整合が必要
    登記あり(対抗要件・登記事項が特有)通常はなし通常はなしあり(別法)

    実務フロー(組成から運用開始まで)の最小セット

    1. 投資対象がLPS法3条に収まるかの棚卸し
    2. 金商法上の立て付け決定(登録か、特例業務か)
    3. GP/LPの属性確認(登記可否、外国法人の扱い、LLP活用等)
    4. 組合契約書(モデルLPAの参照含む)と、交付書面類の整備
    5. 登記(効力発生・変更の管理)
    6. 期中管理(書面交付、報告、財務諸表等の作成・備置、監査対応等)

    よくある質問(FAQ)

    Q1. 外国法人をGPにできますか

    制度上「GPになれるか」と、登記できるかは分けて考える必要があります。少なくとも登記実務としては、経済産業省の解説資料で「外国会社は別として、外国法人はGPとして登記できない」と整理されています。

    Q2. LLPをGPにするのは可能ですか

    可能です。令和5年6月の登記規則改正により、LLPをLPSのGPとして登記できることが明示されています。

    Q3. 小規模ファンドでも、特例業務(63条)でいけますか

    要件を満たすなら届出で組成・運用が可能です。基本要件(適格機関投資家1名以上、適格機関投資家以外49名以下など)は、財務局・金融庁の公表資料で整理されています。

    相談事例(イメージ)

    事例・海外投資家も入れるLPSを作りたいが、GPを海外ビークルにしたい

    検討の順序は次のとおりです。

    • まず、GPを外国会社にするのか、外国法人(会社以外)にするのかで登記可能性が変わります(登記できない類型があるため)。
    • 次に、勧誘相手(投資家属性)と人数、販売・運用の分担により、登録が必要か/特例業務の届出で足りるかを整理します。
    • 最後に、契約書・交付書面・登記書類を一体で組み立てます(モデルLPA・解説を参照し、条文要件と書面要件の齟齬を潰します)。

    まとめ(実務要点)

    • LPSは「ファンド向けの組合」ですが、事業範囲は限定列挙で、まずLPS法3条に当てる作業が出発点です。
    • 次に、金商法上の整理(登録か、適格機関投資家等特例業務か)を行い、書面・報告義務まで含めて設計します。
    • 登記は会社登記と別物で、GP属性(外国法人の登記可否、LLP活用)がスキーム選択に直結します。