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    柔軟な資金調達手段としての転換社債型新株予約権付社債:低金利と成長機会を活かす

     転換社債型新株予約権付社債(CB)とは、債券としての性質と新株予約権の性質を併せ持つ金融商品です。企業が資金調達を行う際に利用される手法の一つで、投資家に対して一定の利息を支払う債券としての機能に加え、特定の条件下で株式に転換できる権利が付与されています。

    CBの特徴とメリット

    • 低金利での資金調達

     転換権が付与されているため、通常の社債よりも低金利で発行できることが特徴です(ゼロクーポンでの発行も可能)。これは、投資家が将来の株式転換による値上がり益を期待するため、金利面で譲歩が行われ、期中における金利コストの最小化を図った調達が可能となります。

    • 資金調達の柔軟性

     株式に転換されることで、借入金が資本に変わるため、財務上の負担が軽減される可能性があります。また、発行時に一定の資金を調達することが可能となっております。

    • 株式価値の上昇期待

     株価が上昇すれば、投資家は株式への転換を行い、企業は株式発行による資本増強が可能となります。他の資金調達手段である株式及び新株予約権の発行手続きには、有価証券届出書の待機期間も含め少なくとも数週間を要します。よって、株価が目標価格に達してから準備を開始しても、発行まで数週間を要し、かつその期間中の株価変動等により、当該目標株価における機動的かつタイムリーな資 金調達機会を逸してしまう可能性があります。これに対し、それぞれのターゲット価格を設定した本新株予約権をあらかじめ発行しておくことにより、当該ターゲット株価における資金調達をスタンバイさせることができます。

    リスクと注意点

    • 希薄化のリスク

     株式転換が行われると、既存株主の持ち株比率が希薄化するリスクがあります。このため、企業の成長戦略や株価への影響を慎重に評価する必要があります。

    • 株価の影響

     株式への転換権が行使されると、市場において大量の新株が供給され、株価が一時的に下落する可能性があります。これを防ぐために、適切な転換条件や時期を設定することが重要です。

    • 市場動向の影響

     CBは、株価動向に敏感な商品です。発行時点では好調な市場環境でも、将来的な市場変動によって投資家の行動が変わり、株式転換が進まない可能性もあります。つまりは、株価が転換価額を下回る水準で推移した場合には、満期に償還価格での一括償還が必要となり、リファイナンス対応が必要となる可能性があります。

    • 一時的な負債比率上昇

     発行時点においては会計上の負債であり資本には算入されず、 一時的に負債比率が上昇します。

    企業がCBを利用する理由

    企業が転換社債型新株予約権付社債を発行する理由としては、以下の点が挙げられます。

    • 低コストでの資金調達

     低金利での資金調達が可能であるため、成長フェーズにある企業や設備投資が必要な企業にとって有利です。

    • 資本構成の改善

     株式転換によって負債が資本に変わるため、資本構成の改善が期待できます。これにより、財務の健全性が向上し、信用力が増します。

    • 市場からの評価向上

     CB発行は市場からの期待が高いことを示す場合があり、企業の成長戦略が市場に受け入れられていることの表れとされます。

    まとめ

     転換社債型新株予約権付社債は、企業の資金調達の一手段として有効であり、特に成長を目指す企業にとって魅力的な選択肢となります。しかし、株主価値の希薄化や市場動向による影響を十分に理解し、慎重な判断が求められます。発行企業は、適切な条件設定とタイミングの選定により、CBを効果的に活用することが重要です。

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