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    第三者割当増資における金融商品取引法および取引所規制の整理

    第三者割当増資を行う場合、会社法上の手続に加え、金融商品取引法(金商法)上の開示規制や、取引所規則による制限が適用されます。
    ここでは、金商法上の開示手続と、上場会社に課される取引所規制を中心に整理します。

    有価証券届出書・有価証券通知書の提出義務

    金商法上、新たに有価証券を発行する場合、発行価額の総額が一定の基準に該当するときは、
    有価証券届出書または有価証券通知書の提出が必要です。

    • 非開示会社(有価証券報告書を提出していない会社)は、原則として50名以上を相手方とする募集・売出しに該当すると届出・通知が必要。
    • 開示会社(有価証券報告書を提出している会社)についても、同様に「募集」や「売出し」に該当する場合には届出義務があります。

    (注)発行者が所有する株式(自己株式)の処分は、売出しではなく「募集」に該当します。

    目論見書の交付義務

    第三者割当を行う場合、その総額が1億円以上であり、金商法上の有価証券の「募集」に該当する場合には、
    発行会社は相手方に対し、有価証券届出書と同一の内容を記載した目論見書を交付する義務があります。

    臨時報告書の提出義務

    第三者割当増資の結果、「親会社の異動」または「主要株主の異動」が生じる場合には、
    臨時報告書を財務局に提出する必要があります。

    取引所における第三者割当の規制

    金融商品取引所(証券取引所)では、既存株主の権利を著しく侵害する第三者割当を未然に防止するため、
    上場会社に対して以下のルールを設けています。

    (1)企業行動規範上の遵守事項

    上場会社が第三者割当を行う場合で、既存株主の議決権が25%以上希薄化する場合や支配株主の異動を伴う場合には、

    • 独立第三者による意見の入手、または
    • 株主総会での意思確認
      のいずれかを行うことが義務付けられています。

    (2)上場廃止基準

    • 希薄化率が300%超の第三者割当を行う場合、株主および投資者の利益を侵害するおそれが少ないと取引所が認めない限り、上場廃止となります。
    • 支配株主の異動を伴う第三者割当の場合、3年以内に支配株主との取引関係の健全性が著しく損なわれたときも、上場廃止の対象となります。

    (3)適時開示義務

    上場会社が第三者割当を行う場合は、次の事項を適時開示することが求められます。

    • 引受人の払込財産の確認内容
    • 払込金額の算定根拠と内容
    • 必要な企業行動規範上の手続(または不要である理由)
    • 投資判断に重要なその他の事項

    まとめ

    第三者割当増資は、資金調達手段として一般的ですが、
    金商法上は募集・売出し規制の対象であり、さらに目論見書交付・臨時報告書提出などの開示義務が発生します。
    また、上場会社の場合には、取引所による希薄化率・支配株主異動・適時開示といった独自ルールにも従う必要があります。