適格機関投資家とは?投資家の種類や要件解説

2023/06/18

適格機関投資家とは?投資家の種類や要件解説

適格機関投資家とは?投資家の種類や要件解説

適格機関投資家とは

適格機関投資家は、金融商品取引法によって定められたプロの投資家の中で、もっとも高いレベルに位置づけられています。この制度は、銀行や証券会社などの金融機関、およびそれらに匹敵する資産と判断力を持つ個人を対象としています。

プロの投資家(種類)

プロの投資家には、適格機関投資家の他に「特定投資家」、「適格投資家」、「適格機関投資家等」という概念があります。さらに、「特例業務対象投資家」というセミプロの投資家のカテゴリーや、不動産特定共同事業に関する「適格特例投資家」、商品先物取引業に関する「特定委託者」「特定当業者」など、いくつかの種類が存在します。

それにもかかわらず、適格機関投資家と特定投資家は、いわゆるプロの投資家の中でも主要な位置を占めています。適格機関投資家は、英語ではQualified Institutional Investorと呼ばれ、略してQIIと表記されることがあります。これは、アメリカのQualified Institutional BuyerやヨーロッパのMiFID2におけるQualified Investorsに似ています。また、Accredited InvestorやSophisticated Investorは、日本の特定投資家に近い概念であり、適格機関投資家よりもランクが低いとされています。

適格機関投資家は、金融業界で機関投資家やプライベートバンキング(PB)業務の対象とされる「ハイネットワース」に近い存在です。ただし、金融庁の適格機関投資家に関するページによれば、その定義は複雑であり、いくつかの要素が絡み合っています。

適格機関投資家の要件

適格機関投資家の要件については、金融庁のウェブサイトで詳細に記載されています。その中には、政府機関に近い独立行政法人や政府系金融機関から、投資事業有限責任組合のように、登録手続きを行えば誰でもなれる適格機関投資家まで、幅広い対象が含まれています。

しかし、投資事業有限責任組合の適格機関投資家としての適格性については、実態が乏しい組合であっても適格機関投資家として認められる場合がありますが、適格機関投資家等特例業務を行う上での利益はほとんどないとされています。これは、法令によって適切に調整されているためです。

たとえ小規模な投資事業有限責任組合が適格機関投資家であったとしても、通常はできない業務が可能になるわけではありません。むしろ、プロの投資家として扱われることで、証券口座を開設する証券会社などの金融商品取引業者による各種規制が免除されることがあります。その結果、法令による保護が受けられなくなり、投資家保護が弱まることがあります。

まとめ

要するに、適格機関投資家は、金融商品取引法において最も上位に位置するプロの投資家カテゴリとされており、金融機関やそれに匹敵する資産と判断力を持つ個人が対象となっています。適格機関投資家は、機関投資家やハイネットワース個人に近い存在ですが、その概念は複雑であり、いくつかの要素が絡み合っています。適格機関投資家の対象は幅広く、政府機関に近い法人から、誰でもなれる投資事業有限責任組合までを含んでいます。ただし、小規模な投資事業有限責任組合が適格機関投資家であっても、通常はできない業務が可能になるわけではなく、むしろ投資家保護が弱まることがあるため、注意が必要です。

手続きのご依頼・ご相談

本日は適格機関投資家とはについて解説しました。ファンド組成などに関するご相談は永田町リーガルアドバイザーまでお問い合わせください。