LPSの「外国投資50%制限」はどう読むべきか
投資事業有限責任組合(LPS)を組成する際、
見落とされやすい論点の一つが、外国法人等への投資割合の制限です。
LPS法および施行令は、
外国株式等への投資について一定の上限を設けています。
本稿では、このいわゆる「50%制限」の構造を条文ベースで整理します。
1. 制限の基本構造
LPSが外国法人の発行する株式・新株予約権・指定有価証券等を取得する場合、
取得価額の合計額が、総組合員の出資の総額に対して50%未満
であることが原則とされています。
ここで重要なのは、
- 「ポートフォリオ比率」であること
- 「取得価額基準」であること
です。
時価ではなく、取得価額で判定する点が実務上の基準になります。
2. 判定基準は「既出資額」
実務上の重要論点は、
出資約束額(コミットメント)ではなく、既出資額ベースで判定する
という整理です。
つまり、
- まだ払込がなされていない約束出資は含まれません
- 実際に拠出された出資額を基準に比率を算定します
ファンドの進行段階によって比率が変動する可能性があるため、
継続的なモニタリングが必要になります。
3. 例外:日本資本による実質支配法人
すべての外国法人が制限対象となるわけではありません。
施行令は、
- 本邦法人または本邦人が議決権の過半数を保有する者
- 財務および営業方針を支配している者
- 重要な影響を及ぼす関係にある者
などを例外として定めています。
いわゆる日本資本が実質的に支配する外国法人は、
50%制限の対象外となります。
ここでは形式的な所在地ではなく、
実質的支配関係が判断基準となります。
4. 外国ファンド(FoF)の扱い
外国に所在する組合型ファンドへの出資については、
上記50%制限は適用されません。
したがって、
- 海外LPS
- ケイマン型組合
などへの投資は、比率制限の対象外となります。
ただし、ここで問題となるのは、
金融商品取引法上の適法性
です。
再投資先が適法な手続きを経ているかの確認は別途必要になります。
5. 制限の趣旨
この50%制限は、
LPS制度が国内投資促進を目的として設計されたことに由来します。
したがって、
- 外資集中型ファンド
- 海外株式特化型ファンド
をLPSで組成することは、制度趣旨と整合しない設計となります。
まとめ
LPSにおける外国投資制限は、
- 取得価額基準
- 既出資額ベース
- 日本資本支配法人の例外
- 外国ファンドへの出資は対象外
という構造で整理されます。
実務上重要なのは、
設計段階だけでなく、運用中も比率管理が必要
という点です。
外国投資が中心となるスキームでは、
そもそもLPSが最適なヴィークルかを再検討する必要があります。
制度の枠内で設計するのか、
別の器を選択するのか。
この判断は、組成前に確定させるべき論点です。

