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    SNS型オンラインサロンと投資助言業務―登録が必要となる境界線は?

    投資に関するオンラインサロンや情報共有グループを開設する動きが近年増えています。note・Discord・Facebookグループ・Xのサブスク型配信・YouTubeメンバーシップなど、多様なSNSプラットフォームを活用した情報発信は、今や一種のビジネスモデルです。

    しかし、これらの活動が投資助言・代理業に該当する場合には、金融商品取引法上の登録が必要となります。本稿では、SNS型のオンラインサービスにおける実務上の注意点を解説します。

    有償かつ「投資判断の助言」があると登録対象に

    SNSを用いた情報発信であっても、次のすべてを満たす場合は、金融商品取引法第2条第8項第11号の「投資助言業務」に該当します。

    1. 投資顧問契約の成立(報酬を前提とした助言提供の約束)
    2. 投資判断の提供(銘柄・売買時期・方法等に関する助言)
    3. 有価証券や金融商品の価値に関する分析

    オンラインであれオフラインであれ、本質は「投資判断の有償提供」であるか否かにかかっています。

    登録が必要となる典型パターン

    以下のような形態は、実務上「投資助言業務」として登録が求められる可能性が高いです。

    • 有料サロンで「今月のおすすめ銘柄」「買いのタイミング」等を発信
    • メンバー限定のライブ配信やチャットで、個別株に関する分析・売買判断を投稿
    • 月額課金で日々のマーケット解説を提供し、特定の投資判断を示唆

    たとえ一対一の指導ではなくても、投資判断の内容を「継続的・有償」で提供する限り、助言業務と評価される余地があります。

    登録不要とされるケース(限定的)

    以下のようなオンライン活動は、一般的に投資助言業には該当しないとされます。

    • 完全無料で情報提供を行っている場合
    • 個別銘柄や売買の判断に触れない、一般論としての経済・金融解説
    • 「有価証券の価値等」に当たらない商品(例:暗号資産の現物)の単なる動向コメント
    • 書籍等として出版・不特定多数が随時購入可能な配信(※要件厳格)

    ただし、これらも内容・配信形式によっては助言とみなされる可能性があり、慎重な判断が必要です。

    登録をしても「自己売買」は制限される

    なお、SNSサロン等の運営者が、仮に投資助言・代理業の登録を受けた場合でも、登録業者の役職員には自己の投機的売買に制限がかかるため注意が必要です(短期売買の禁止等)。
    これは、とくに自分自身の売買成績を発信するタイプの「リアルトレード型サロン」で問題になりやすい点です。

    利用者同士の投資助言にも注意

    オンラインサロン内で、ユーザー同士が銘柄情報を交換したり、売買シグナルを配信し合う機能がある場合も、規制の対象となることがあります。

    • 運営者がこの仕組みを設計・推奨している場合
    • サロン内での発言が実質的に「業としての助言」と評価され得る場合

    とくに課金制のコミュニティで、誰が「助言者」に当たるか不明確な構造になっていると、法的な問題が生じやすくなります。

    まとめ:SNS時代の情報提供でも、投資判断の有償提供は規制対象

    現代のオンラインサービスは、プラットフォームや形式にかかわらず、投資判断の対価性・継続性・個別性があれば、投資助言・代理業として登録が必要になります。
    情報提供モデルが拡大する一方で、規制も厳格化の傾向にあるため、慎重なスキーム設計が求められます。