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            TMKを使えば免許なしで投資家を募れる?資産流動化計画届出と制度の誤解を正しく理解する

            資産証券化のスキームとして用いられるTMK(特定目的会社)は、「金融商品取引業の登録を受けなくても投資家から資金調達ができる」と誤解されることがあります。
            しかし、それは極めて限定された法制度の特例に基づくものであり、誰でも自由に使えるわけではありません

            本稿では、TMKの正確な制度位置づけと、免許不要での勧誘が可能になる条件と誤解されがちなポイントについて解説します。

            ■ TMKとは何か?──会社法上の株式会社とは別物

            TMK(特定目的会社)とは、「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」に基づき設立される証券化専用の法人です。
            ここでいう「設立」とは、単に会社法上の登記手続きを完了することでは足りず、資産流動化法上の「資産流動化計画」を財務局経由で届出・受理されて初めてTMKと認められます(同法第4条)。

            つまり、資産流動化計画を届け出ていない株式会社は、制度上のTMKではありません。

            ■ 登録なしで投資家勧誘が可能になるのは「みなし第二種業者」の特例

            TMKが発行する「特定社債的受益権」等については、一定の条件を満たすことで、第二種金融商品取引業の登録を受けなくても勧誘が可能とされています。

            この特例の根拠は、

            • 金融商品取引法施行令第16条第3号・第4号
            • 金融商品取引法第29条の4等(登録免除規定)

            【特例が適用される条件(要件)】

            • TMKが有効な資産流動化計画の届出を行っていること
            • 勧誘対象が適格機関投資家等に限定されていること(または少人数私募)
            • 公募ではなく、届出不要な形式による私募であること
            • 募集・私募に関する情報開示資料等が整備されていること

            ■ よくある誤解と実態

            誤解実際の制度
            TMKなら誰でも自由に投資家を募れる× 届出のないTMKは、制度上「TMK」として扱われない
            設立登記さえすれば使える× 設立は前提でしかなく、届出が制度の中核
            個人投資家にも勧誘できる× 勧誘対象は原則として適格機関投資家やプロ限定
            任意のスキームに適用可能× TMKは原則として特定資産の流動化を目的としたスキームに限定される

            ■ 実務におけるTMK利用の流れ(概要)

            1. 株式会社の設立(会社法に基づく登記)
            2. 資産流動化計画の策定(信託スキーム・キャッシュフロー設計等を含む)
            3. 財務局への届出(正本提出・補正対応あり)
            4. 金融庁の「受理」後にTMKとして正式に稼働
            5. 募集・私募の実施(対象者限定、情報開示資料の整備必須)

            ■ まとめ

            TMKを活用すれば、たしかに第二種金融商品取引業の登録を受けずに投資家からの資金調達が可能な場合があります。
            しかし、それは資産流動化法の制度に厳格に則り、届出を受理されたTMKに限られた例外的な運用であり、
            設立登記だけで「免許不要で投資家勧誘が可能」と理解するのは、制度的に誤りです。

            永田町リーガルアドバイザー株式会社では、TMK設立と資産流動化計画の届出サポートなどの支援を行っています。
            TMKの制度活用をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。