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            TMKと一般社団法人型SPCの違いとは?不動産証券化で選ばれる理由と法的特徴を比較

            資産証券化のストラクチャーを設計する際、しばしば候補となるのが「特定目的会社(TMK)」と「一般社団法人型SPC」です。
            どちらも倒産隔離性の確保を前提としたスキーム設計に利用されるものの、制度的な位置づけ・設立要件・利用場面には大きな違いがあります。

            本稿では、両者の基本的な法的特徴と、実務上選択される理由を比較・整理します。

            ■ TMK(特定目的会社)とは?

            • 資産の流動化に関する法律(資産流動化法)に基づいて設立される特別法人
            • 「資産流動化計画」を財務局へ届出・受理されて初めて有効なTMKとして機能
            • 有価証券の私募・発行において第二種金融商品取引業の登録を不要とする特例が認められる

            主な特徴

            • 株式会社型(会社法に基づく設立だが、実態は特別法ベース)
            • 設立や運営に高度な法的・税務的スキーム構築が必要
            • 大型の不動産流動化や機関投資家向けファンドで多く採用

            ■ 一般社団法人型SPCとは?

            • 一般社団法人を設立し、その下に合同会社(GK)を持株会社として置くスキーム
            • 証券化スキームにおける親会社(持株会社)としての活用が主
            • 非営利法人として設計できるため、倒産隔離性を高める効果がある

            主な特徴

            • 会社法に基づく設立(特別法は不要)
            • 剰余金分配禁止により、出資者からの経済的独立性を確保しやすい
            • 設立・運営が比較的容易で、GKTKスキームに広く用いられる

            ■ 比較表:TMKと一般社団法人型SPC

            比較項目TMK一般社団法人型SPC
            根拠法資産流動化法一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
            設立手続設立+資産流動化計画届出(財務局)登記のみ(任意の目的でOK)
            倒産隔離性TMK単体でも一定の確保あり社団法人→GKという構造で担保
            金商法上の特例第二種金融商品取引業の登録免除(みなし登録)なし(適格機関投資家等特例業務届出などで対応)
            利用場面大規模・公募性あるファンド私募・少人数制の柔軟なスキーム

            ■ 実務上の選択基準

            利用ニーズ推奨スキーム
            投資家向け私募、少人数制一般社団法人+GK(GKTK-SH構造)
            機関投資家への大規模販売、税務最適化TMK
            柔軟な組織設計、AM・PMの導入が前提社団法人型SPCが多い
            第二種金商登録を避けたい(一定条件下)TMKの制度利用が検討される

            ■ まとめ

            TMKと一般社団法人型SPCは、ともに倒産隔離や資産管理に利用されますが、制度的にはまったく異なるアプローチを取っています。

            • TMKは特別法上の制度型SPCであり、税務・金融制度上の特例がある反面、届出と厳格なスキーム運用が不可欠
            • 一般社団法人は設計の自由度が高く、私募型スキームにおける持株会社として極めて実務的です

            スキーム選択の際は、資金調達の規模・勧誘対象・必要な免許・税務要件などを慎重に検討することが求められます。