大量保有報告書の「提出期限」はなぜ間違えやすいのか?5営業日ルールを実務で外さないための整理
大量保有報告書や変更報告書について、提出遅延による指摘・課徴金リスクは決して珍しくありません。
その多くは制度理解の不足というより、提出期限の数え方に関する思い込みから生じています。
本稿では、財務局Q&Aの整理を踏まえつつ、提出期限(5営業日以内)を実務で誤らないための考え方に絞って確認します。
1. 原則は「5営業日以内」ですが、起算点に注意が必要です
大量保有報告書(一般報告)の提出期限は、
報告義務発生日から5営業日以内とされています。
ここで重要なのは、
報告義務発生日の「翌日」から起算するという点です。
報告義務発生日そのものはカウントに含まれません。
この「翌日起算」を見落として、1日ずらして計算してしまう例が少なくありません。
2. 「営業日」から除外される日を正確に把握する
5営業日を数える際には、次の日は除外されます。
- 土曜日
- 日曜日
- 祝日
- 12月29日から1月3日まで
そのため、実務上は
「通常であれば、翌週の同一曜日が提出期限になる」
という感覚が一つの目安になります。
もっとも、祝日を挟む場合にはこの目安は簡単に崩れます。
月曜が祝日の場合などは、提出期限が1日後ろ倒しになるため、注意が必要です。
3. 特例報告の場合は「基準日」から数えます
金融商品取引業者、銀行、信託会社等が利用できる特例報告では、
期限計算の起点が異なります。
特例報告では、あらかじめ届け出た以下のいずれかの基準日から起算します。
- 各月の第2月曜日・第4月曜日(第5月曜日がある場合はそれも含む)
- 各月の15日および末日(休日の場合は前倒し)
この基準日の翌日から5営業日以内が提出期限となります。
一般報告と特例報告を混同して計算すると、期限認識にズレが生じやすいため、
「誰が提出者なのか」を最初に切り分けることが重要です。
4. 短期間で複数の報告義務が発生した場合の考え方
短期間に売買を繰り返し、
毎日のように1%以上の増減が生じるケースもあります。
この場合でも、
報告義務発生日ごとに、それぞれ5営業日以内の提出期限が個別に存在します。
「まとめて1本出せばよい」という整理にはなりません。
提出期限も、それぞれ独立して管理する必要があります。
5. 実務上の結論
提出期限に関して重要なのは、
- 起算点は「翌日」であること
- 営業日から除外される日を機械的に整理すること
- 一般報告か特例報告かを最初に区別すること
です。
大量保有報告制度では、
内容の正確性と同じくらい、期限管理そのものがコンプライアンスの中核になります。
提出が不要かどうかを検討する時間はあっても、
「提出が必要」と判断した後に期限で迷っている余地はありません。
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