大量保有報告書(5%ルール)でまず押さえる実務ポイントを解説、提出代行業務は当事務所までお問い合わせください。
本稿は、財務局が公表している「大量保有報告書に関するよくあるご質問(Q&A)」の内容をベースに、実務で誤りが出やすい「提出が必要となる場面」「変更報告の考え方」「期限の数え方」「EDINET提出」の最初の整理に絞ってまとめます。
(共同保有者の範囲や短期大量譲渡などは、次回以降で深掘りします。)
1. いつ「大量保有報告書」の提出義務が発生しますか
結論としては、上場会社等の株券等や投資証券等(REIT等)について、5%超を保有したときに、原則として「大量保有者となった日」から5営業日以内に提出が必要です。
ここでの「保有」には、現物の株券に限らず、新株予約権付社債券等を含む「株券等」が対象に入り得ます(制度上の整理)。
実務で見落としがちな2点
- 名義ではなく実質で見る
名義書換が未了で他人名義のままでも、実質的に保有していれば「保有」に含まれ得ます(法27条の23第3項本文の考え方)。 - 自己株式は「分子」から除外(ただし例外あり)
平成27年5月29日の改正施行以降、会社法113条4項の自己株式は「保有株券等の数」から除外されます(自己新株予約権等は除外されない点に注意)。
2. 「変更報告書」はいつ必要ですか
変更報告書が必要となる典型は、次の2系統です。
- 株券等保有割合が1%以上増減した場合
- 氏名・住所(所在地)など重要事項が変更した場合
一方で、財務局Q&Aでは「変更報告書が不要となる場合」も細かく整理されています。共同保有の中で単体保有割合が1%未満の者の出入りや、軽微な変更の扱いなど、例外が多いため、実務では「1%」だけで機械判定しない方が安全です。
3. 期限は「5営業日以内」ですが、数え方でミスが出ます
大量保有報告書(一般報告)は、報告義務発生日から5営業日以内です。
ポイントは、カウントが翌日起算で、土日祝と年末年始(12/29〜1/3)が除外される点です。結果として、通常は「翌週の同一曜日が提出期限」という感覚になります(ただし祝日が挟まるとズレます)。
また、金融商品取引業者・銀行・信託会社等は「特例報告」の枠組みがあり、あらかじめ届け出た基準日(例:各月第2・第4月曜、または各月15日・末日等)から5営業日以内に提出する整理になります。
4. 実務で使う「まずの判定表」
| 区分 | いつ出すか(最初の判断軸) | 期限の軸 | 典型的な勘違い |
|---|---|---|---|
| 大量保有報告書 | 5%超になった | 原則5営業日(一般) | 「名義が他人だから不要」と誤認 |
| 変更報告書 | 1%以上の増減、または重要事項変更 | 原則5営業日(一般) | 「全体で1%未満だから不要」と早合点(共同保有・内訳変更で要注意) |
| 訂正報告書 | 提出済み書類に誤りが判明 | 速やかに(誤り是正の観点) | 訂正箇所が分かる書き方になっていない |
訂正報告書については、法令で様式自体は固定されていないものの、記載上の注意として「訂正前・訂正後が分かるように」等の要請が整理されています。
5. 提出方法はEDINETが前提です
大量保有報告書等(変更・訂正含む)は、EDINETでの電子提出です。紙提出は受理されません。
提出先(管轄)についてもルールがあり、国内居住者は原則として本店・主たる事務所(個人は住所・居所)管轄の財務局等、非居住者は関東財務局という整理が示されています。
6. 罰則・課徴金の入口だけ確認しておく
提出しない/期限に遅れる/虚偽記載などの場合、課徴金の対象となり得るほか、刑事罰の規定も置かれています(制度としての注意喚起)。
7. まとめ
- 最初の分岐は「5%超」で大量保有報告書、「1%以上の増減や重要事項変更」で変更報告書。
- 期限は「5営業日」だが、翌日起算・休日除外を前提に手元で数える。
- 名義ではなく実質、自己株式の除外など、分子の捉え方で判断が変わる。
- 提出はEDINET。紙では受理されない。
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