役員は重要な使用人に該当するのか?兼務時の届出の取扱い
金融商品取引業の登録申請では、「役員」と「重要な使用人」の双方について氏名の記載・届出が求められます。
ここで問題になるのが、役員がコンプライアンス責任者や判断分析者を兼ねている場合に、どの欄に記載するべきかという点です。
法令上の整理
- 「重要な使用人」とは、あくまで「使用人」に該当する者を対象としています。
- 会社法上、取締役などの役員は「使用人」には含まれません。
- そのため、役員がコンプライアンス責任者や投資判断分析者の職責を担う場合、第4面(役員欄)に記載すれば足りると解されています。
実務上の複数の解釈
過去の実務では、この整理に揺れがあり、以下のような異なる見解が存在していました。
- 使用人兼務役員に限り、第5面・第6面にも記載する。
- 代表権のある役員は除外し、それ以外の役員で兼務する場合には記載する。
- 役員か否かに関わらず、該当する職務を担っていれば必ず記載する。
従来は(3)寄りの運用が多く見られました。
当局による整理
直近では、当局が次のように整理しています。
- 役員が役員の職責として自ら行う場合 → 「該当なし」とする。
- 使用人が取締役を兼務している場合 → 「該当なし」とせず、氏名・役職名を記載する。
つまり、役員としての責務に基づいて職務を行っている場合は重複記載不要ですが、使用人としての職務を兼務している場合には届出対象となります。
実務への影響
この整理により、登録申請書の記載の一貫性が求められるようになりました。
誤って「該当なし」としてしまうと、届出漏れと見なされるリスクもあるため、役員としての行為か使用人としての行為かを正確に区分することが重要です。
まとめ
- 法令上、役員は「使用人」ではない。
- ただし使用人としての職務を兼務している場合は届出が必要。
- 当局整理は「役員として行う場合は不要、使用人として行う場合は必要」という立場。
この違いを理解することで、登録申請書の記載誤りや審査段階での指摘を防ぐことができます。