投資信託型ファンドとは
「ファンド」といわれるものは、大きく分けて3種類あります。
(組合型ファンド、投資信託型ファンド、会社型ファンド)
今回はそのうちの投資信託型ファンドについて詳しく説明したいと思います。
投資家の資金を投資信託の形で集めて運用する場合、投資運用業の登録が必要になります。(投信委託業又は投資委託業者に対する投資一任業)
また、投資信託の販売に関しては、第一種金融商品取引業や第二種金融商品取引業の登録が求められます。
投資運用業や第二種金融商品取引業の登録を取得するには、通常1年以上の時間がかかり、5~6人の経験者を雇用する必要があります。第一種金融商品取引業の登録も同様の要件が必要です。ライセンス取得にかかる費用は数百万円程度となります。
ただし、適格投資家向けの投資運用業に該当する場合、第一種金融商品取引業ではなく、第二種金融商品取引業として扱われることがあります。その場合、第二種金融商品取引業の登録があれば、投資信託の取り扱いが可能です。
「外投私募」スキームのリスク
過去には、ケイマン諸島やシンガポール、香港などで外国籍の投資信託を設立し、日本国内の金融商品取引業者が投資助言契約や投資一任契約に基づいて外国籍投資信託を運用する一方で、国内の販売会社(第一種金融商品取引業)に私募の取り扱いを依頼するスキーム(いわゆる「外投私募」)が一般的でした。
しかし、近年では、投資助言契約を利用してヘッジファンドを運用していた投資助言・代理業者の登録が取り消されるなど、このようなスキームには投資運用業や現地に実態を持つ運用会社が必要であることが明らかになっています。
かつては人気のあった業態ですが、最近ではスキームの多様化を受けて、「外投私募」スキームの採用率は従来よりも低くなっていると言われています。
まとめ
・投資家から資金を集めて投資信託を運用するには、投資運用業や金融商品取引業の登録が必要で、その取得には時間と費用がかかる。また、経験豊富な従業員も雇用する必要がある
・ただし、適格投資家向けの投資運用に特化した場合、第二種金融商品取引業の登録で投資信託の取り扱いが可能になる
・過去には、外国で設立された投資信託を国内の金融業者が運用し、国内の販売会社が取り扱うスキーム(いわゆる「外投私募」)がよく見られた。しかし、最近ではこのスキームには投資運用業や実態のある運用会社が必要であることが明らかになった。
・そのため、外投私募スキームの人気は徐々に低下しており、現在ではさまざまな投資スキームが利用されている。これらのスキームを適切に選択し、運用することで、投資家により良いリターンを提供することが期待される。
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