投資助言・代理業における契約締結前交付書面とは?作成と交付の義務に注意
投資助言・代理業者は、顧客との間で投資顧問契約を締結する前に、必ず「契約締結前交付書面」を交付する義務があります。
この義務を怠ると、適正な契約手続を経ていないとみなされ、業務停止命令等の行政処分の対象となる可能性もあります。
契約締結前交付書面とは?
契約締結前交付書面とは、投資助言・代理業を行うにあたって、顧客に対して以下のような事項を事前に明示するための書面です。
- 投資助言の内容
- 報酬の体系や金額
- 契約期間
- 顧客が負担すべき費用の内容
- 損失が発生する可能性に関する説明
- 利益相反の可能性などに関する事項
ご提供コンテンツでは、契約締結前交付書面の交付を行っていない事例が、金融商品取引法違反として行政処分の対象となったことが明記されています。
交付時期と方法
契約締結前交付書面は、あくまで「契約の締結前」に顧客へ交付しなければなりません。
契約と同時、あるいは締結後に交付した場合は、法令上の義務を果たしたことにはなりません。
実務上の注意点
- 無登録の状態で契約書面を交付した場合、それ自体が違法行為の証拠となることがあります。
- オンラインで契約を結ぶ場合であっても、交付書面の内容が確認・保存可能である必要があります。
- 定型フォーマットがあっても、契約内容や助言の内容に応じて、個別に適切な記載を行う必要があります。
まとめ
投資助言・代理業者として登録した後は、顧客と契約を結ぶ前の段階から、厳格な説明義務・交付義務が発生します。
とくに「契約締結前交付書面」は、金融商品取引法上の根幹的な義務であり、その交付を怠るだけでも重大な行政処分につながる可能性があります。
登録後の業務運営では、こうした基本的な法令義務を確実に履行できる体制の整備が不可欠です。