適格機関投資家等特例業務(QII特例業務)の廃止届出の実務―金商法63条の2第3項第2号に基づく対応―
適格機関投資家等特例業務(QII特例業務)を廃止した場合、金商法63条の2第3項第2号に基づき、遅滞なく廃止届を提出する必要があります。
本稿では、廃止届に関する実務上の取扱いを整理します。なお、ここで扱うのは金融商品取引業者等ではない者による特例業務の場合です(※手続きに際しては、必ず最新情報をご参照ください)。
1.廃止か休止か
特例業務を一旦行わないものの、将来的に再開の見込みがある場合、廃止ではなく休止という選択肢も可能です。
ただし、
関東財務局の運用では休止中であっても年1回の事業報告の提出義務がある
とされています。
休止を選択する場合は、この点に留意が必要です。
2.廃止届の様式・記載事項
(1)様式
廃止届の様式は、関東財務局のウェブサイトで公開されています。
関東財務局:特例業務の変更届出等
https://lfb.mof.go.jp/kantou/rizai/pagekthp032000817.html
(2)記載事項
金商法63条の2第3項第2号に基づく廃業届の記載事項は、
「廃止の年月日及び理由」(業府令242条1項2号)です。
また、
- 廃止理由は複数行にわたり、ある程度具体的に記載する必要がある
- 「特例業務を行う必要がなくなったため」など簡易な理由では受理されず、具体的理由の再提出を求められる取扱
- 記載事項は英語で記載可能(業府令242条2項)
3.廃止届の添付書類
(1)任意的な廃止届の場合
業府令242条の2に基づき、
任意的な廃止届については添付書類は不要です。
届出書のみで足ります。
ただし、
- 役員が欠格事由に該当した場合
- 特例業者が破産等をした場合
には、それを証する書面を求められる場合があるとされています。
(2)密接関係者等書面
2023年11月時点の実務運用として次の点が示されています。
- 特例業務の新規届出時に提出すべき
「密接関係者等書面」(業府令238条の2第1項3号ロ・4号ロ)が未提出の場合、
廃業届提出時に提出を求められる - 2016年金融庁パブリックコメント(73頁264番)では、
実際の出資金額が確定した時点で提出することが適当とされている - 実務では、新規届出時のみならず廃業届時においても、出資額が未確定の場合には事情を説明のうえ廃業届のみでも受理
- ただし関東財務局の運用では、
廃業届を提出して特例業者でなくなった後も、密接関係者等書面の提出義務は消滅しない
とされている点に注意が必要
4.おわりに
当事務所では、適格機関投資家等特例業務の届出をはじめ、金融商品取引業関連の登録や変更届出等のサポートを行っています。手続きに関するご相談がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

