重要な使用人の規制緩和──判断分析者の届出除外とその背景
重要な使用人は、金融商品取引業の登録審査において役員と並ぶ重要な位置づけにあります。
しかし、その範囲については近年見直しが進められ、一部の職務については届出対象から除外されるようになっています。
判断分析者の取扱い変更
従来は、投資判断を行う「判断分析者」も重要な使用人として届出が必要とされていました。
しかし、令和5年8月15日以降、次のような変更が行われています。
- 第一種金融商品取引業(有価証券関連業)に該当する外務員を兼務している判断分析者
→ 重要な使用人の届出対象から除外。
これは、投資判断者であっても外務員としての業務を行う場合には、体制整備を通じて管理することで十分と判断されたためです。
背景にある課題
- 判断分析者が多数存在する業態では、届出の煩雑さが問題になっていました。
- 一人ひとりの届出が必要となることで、実務負担が大きくなり、登録手続の効率性が損なわれていたのです。
こうした課題を踏まえ、金融審議会で届出義務の緩和が議論され、今回の規制緩和につながりました。
誤解しやすいポイント
- 投資助言・代理業における「助言者」や、投資運用業の「運用執行者」は、もともと重要な使用人には含まれません。
- 「助言者」は投資判断を顧客に伝達する役割であり、自ら独自に投資判断を行うわけではないためです。
- この点を誤解し、助言者まで届出対象と考えるケースが少なくありません。
まとめ
- 重要な使用人には「コンプライアンス系」と「助言運用系」があり、判断分析者は本来届出対象。
- ただし、令和5年8月15日以降は、外務員を兼ねる判断分析者については除外される。
- 届出範囲の縮小は、実務上の煩雑さを解消するための措置。
重要な使用人の範囲は過去から現在まで整理が揺れてきた経緯があり、最新の規制動向を踏まえた正確な理解が求められます。